一般社団法人協力隊を育てる会
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「<ショウゲキ>と<スリル>そして<おもてなし>の旅」

セネガル 新江 光弘さん
−新江 涼加 隊員(H24-1次隊/小学校教諭)のお父様
ダカール空港を眼下にした時、「やけに廃墟が多いな」と、仕事が建築関係である私はそう感じました。
空港を出て娘と1年4か月ぶりの再会。笑顔はちきれそうな我が子を見て、妻共々喜びました。空港からホテルに向かう車中“廃墟”の事を尋ねると「何も分かってないな、あれは建築途中やで!」と娘。所変われば品変わるとはこの事か!蓄財の習慣の無いこの国の人は、お金が入る度に少しずつ工事を進めるらしいのです。
 高級と言われるホテルにチェックインし、多少揺れるエレベーターから降りて部屋に入れば‘おお涼しい!’。部屋もかなり良い。和歌山を出て約40時間、やっと横になれました。「クーラーの効いた生活は今日で最後だからね」と娘、「覚悟しています」と私たち。

 翌日は、JICA事務所と日本大使館を訪問し、いよいよ任地ファティックへ。日本では今は見る事も無い、私が青春時代に走り回していた車が、今この国でタクシーとして活躍していました。娘が何回か運転手と値段交渉(現地語とフランス語)をしてタクシーに乗り込みます。当然、車内は、ぼろぼろ。フロントガラスは、ヒビだらけでした。
ガラージュ(停車場)で、セットプラス(7人の乗合タクシー)に乗り換え、任地まで行くとの事。タクシーが到着するやいなや、周りに4,5人の男。セットプラスの値段交渉が始まると、あっという間に荷物は積みかえられ、私達が乗換えた瞬間、窓から手が何本も入ってきました。荷物を積み替えた対価としてお金を要求しているとの事。少額のお金を渡し、私達はそこから逃げ出すかのように出発しました。私や妻には衝撃的なこの数分間の出来事ですが、娘曰く「普通やで」との事。
さてセットプラスと言う乗り物、タクシーに負けず劣らずの年代物。しかも最近開通したと言う高速道路を時速200km(メーターが動かないので体感速度)で突っ走る。国道は時速100km、ダカールから約150kmのファティックまで約3時間のスリル満点の旅でした。

 娘の借家に着き門をくぐると、なんということでしょう、玄関には私達を歓迎するウェルカムボード。娘の家のガルディアン(警備員)が留守中に作ってくれていました。しかも、彼は文房具を持っていないため、それは、水泳用タオル(歴代隊員からの貰い物)に、字は木炭で書かれたものでした。

その夜私たちは、簡単な夕食を共にし、月を見ながら、彼が入れてくれたアターヤ(お茶)をいただきました。

 次の日から4日間、学校やご近所、学校関係者のお宅を訪問し、4軒のお宅でお食事を頂きました。その食事は一般のセネガル食との事ですが、普段以上にたくさんの食材が入っていたそうです。彼らは日本から親が来たと聞くと、家に招き精一杯のもてなしをする事が当たり前なのだそうです。私達が日本から持ってきた粗末な土産に大感激し、彼らが大切にしている大事な物をくれたりしました。
 彼らはまた、余った食べ物を<タリべ>と呼ばれる物乞いの子供たちや貧しい人に提供します。もしかしたら、そのために食事を少し余らせているのかも知れません。
 私達は滞在8日間でセネガル人の陽気さ、優しさ、信心深さなど日本人とは少し違う、気質、おもてなしの精神を感じとりました。

 しかし一方で、のんびりしすぎとも思える生活、高速道路を整備不良車が突っ走る危険、<タリべ>と呼ばれる子供たちの現状など、改善すべき事は多いように思います。
青年海外協力隊の皆様の地道な活動を評価してくださる地元の方が何人もいた事は幸せでした。
 隊員の皆さん、これからも健康と交通事故に十分気を付けて頑張ってください。


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