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「息子を訪ねて3,500里」

セネガル 小野 善一さん
−小野 貴志 隊員(H25-2次隊/PCインストラクター)のご両親

視察の旅は春ごろから知っていました。案内が来てもそんなに興味を覚えませんでした。
昨年に任務に着いてからはテレビでセネガルの名を聞くたびに興味津々に報道を見るようには成っていました。特にエボラ出血熱の報道は心配でした。正式に視察の旅の案内が着てからも二人とも特に行く気はしていなかったのですが、程なく息子よりのメールで「来てほしい」ような案内がありました。それでも正直行く気は有りませんでした。こんな消極的な返事に「来年では帰国してしまっていて来れないし、今回しかチャンスはない」とのお誘い、これに背中を押されてもはっきりしなかったのですが、手まで引っ張られてようやく決心し、行くことになりました。もちろん夫婦揃って。

メールや写真、テレビの報道で見る現地との格差は激しく空港についてホテルまでの道中で、えらいところに来てしまったとの感想。ダカールでの1日でマルシェ、スーパー、レストランを見て回りながら、なんでも売っているのを見て安心したが、ダカールはセネガルでは特別の町でここだけとの案内。任地を含む他の町、村はまったく違うとの説明で二人とも絶句(これよりひどく、汚いのか)。

任地への移動途中、ロンプールでの砂漠体験はすばらしい経験でした。セネガル唯一の砂漠でのテント宿泊体験は貴重な体験で一番印象に残っています。特にラクダでの砂漠観光中、丁度夕日が沈む時で、「アフリカ大地の沈む太陽」はきれいで「アフリカに来たんだ」との実感を感じ、強烈に印象に残っています。

任地に着いてからの3泊は疲れてゆっくりしたいとの希望で、村の一周ツアーは徒歩の予定をロバの馬車をチャーターしての観光になりました。これもいい体験でした。宿舎は水が少ししか出ないのでシャワー、シャンプーには苦労しました。日本と同じように石鹸、シャンプーを付けてしまい、落とすのに一苦労。また洗濯の付け洗い、濯ぎにもびっくりです。絞らず水を滴るままロープに10時ごろ掛けて置けば昼過ぎには乾きます。モスクが隣にあったので朝早くから目が覚め、部屋で寛いでいると昼に近づくに連れ1時間で2度の温度上昇、10パーセントの湿度降下で12時には37度、20%、汗は出ないが水のがぶ飲みで乗り切る。昨日のゴミを小さな穴で野焼き、生ゴミは埋める。朝の日課が終わり、学校の先生方へ挨拶の為、お昼ご飯時に訪問し、食事を一緒に頂く。お土産の昼食時に使うスプーンと、4色ボールペンを持参しプレゼントし、喜ばれる。
わずか1週間のアフリカ滞在、しかも前後4日間はホテル滞在、任地は3日間、日本のような先進国とは比較するほうが間違っていると思いますが、こんな不便で劣悪な環境で頑張っている息子を見て、敬服の念まで抱きました。と共に他の各国で任務を遂行されている多くの隊員に敬意を表します。
今、日本に帰国して思うにJICAの活動を改めて評価したいと思います。こんな感想を持ちながら、息子を残し、安心してセネガルを後にし、今は先進国の便利さにドップリ浸かっています。


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