私は隊員の友人として、「視察の旅」に参加させていただきました。
この旅を通して、人と人とがつながりをもつためには言語の習得と文化の理解が大切であることを、肌で感じることができました。私の友人はホンジュラス人のようにスペイン語を話し、ホンジュラス人よりも踊っていました。また、危機管理意識も高く、犯罪率の高い国であるということを感じることのないほど、安全な旅行計画を立ててくれていました。
現地では、協力隊のメンバーが協力しあい活動を行っている様子も垣間見ることができました。どの隊員もスペイン語を流暢に操る様子を見ていると、外国語の習得には、やはり現地で実際にコミュニケーションを図ることなのだなと思いました。私自身は海外での就労やボランティアなどは考えていませんが、もし身近な人に海外で働きたいという人がいればぜひ青年海外協力隊をおすすめしたい。そう感じさせられた旅でした。
また青年海外協力隊は、隊員を育てるという意識が思っていたよりも強い活動でした。もちろん隊員の活動は、現地の人々の生活の向上に寄与しています。それと同時に、隊員の生きる力を養っているということを感じました。現地の言語を身につけること、現地の文化を理解すること、それらの経験を通して自らが育った日本という国を再発見する機会も、数多くあるのだと思います。私自身も、非常に短い滞在期間ではありましたが日本が安全な国であり、また物質的に豊かな国であることを再認識しました。それと同時に笑顔が少なく、また自国への誇りや愛情といったものが少ない国民でもあるなぁ、ということを相対的に感じとることができました。どの国にも学ぶべきところはあるだろうし、理想的な社会像を描くためにはこのような異国の文化に触れることが大きなヒントを与えてくれるのだろうと思います。先進国側の一方的な押し付けは、途上国側の文化の破壊をもたらします。既存の文化の尊重と開発を両立するための人材づくりがこの青年海外協力隊の目的であり、またそれは日本の未来を創造する上で欠かせない人材の育成という役割をも担っている、ということを教えられた「視察の旅」でした。
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