私は現在、ユーラシア大陸の西の端にあるヨルダンの首都アンマンに家族と共に住んでいます。2005 年に青年海外協力隊として赴任したシリアで続く紛争が一日も早く終わり、国内外に溢れ出る避難生活を送る人たちが一日も早く帰国（還）できるよう、サダーカ（アラビア語で「友情」）というグループを通して避難生活を送るシリアの人たちの家庭訪問などを行い、彼らの現状や想いを様々な形で発信してきています。
　「帰国隊員／青年支援プロジェクト」では、シリアに赴任した青年海外協力隊の仲間たちと、『シリアの○○』シリーズの第一号を刊行しました。日々破壊、テロといった風景やニュースばかりが流れる中、少しでもシリアの本来の姿を知ってもらいたいと、紛争前に自分たちが生活していたシリアの魅力を伝えるための冊子『シリアの○○ スイーツ編』を作成し、全国の本屋やカフェに配布しました。「慢性的な紛争地域、危なくて人も住めない」というこの地域の固定化されたイメージが変わり、私たちと同じような日常を生きている普通の人たちの生活を想像してもらうことで、この地域にまた安定や平和が訪れる一助になって欲しいという願いを込めて作成しました。今後も資金源を探しながら、是非第二号発行もできればと考えています。
　世界はグローバル化しているといわれますが、日本と中東地域はまだまだ遠く、知らないが故に「恐怖」や「懐疑心」が生まれ、この地域の豊かさや人間味あふれる人たちの営みが伝わりません。異文化教育は相違点に重きが置かれがちですが、是非帰国隊員の皆さんには、自身の経験を元に、自分たちと同じ人々が家族と共に日々を生きているという「共通点」も同時に伝えてもらいたいと思います。また以下の『シリアの○○』を是非ご覧いただくと共にサダーカのFBやWebsiteもご覧頂き、自分の家族や友人に共有して頂ければ嬉しいです。