隊員時代の任務は中学校での指導が中心でしたが、もともと幼児教育分野にも興味があったので、現地のNGOの活動にも参加、任期終了後もカンボジアと関わりを持ち続けています。
今回実施したプロジェクトは、①「移動図書・おもちゃ館」を展開し、園児の年齢にあった絵本やおもちゃを提供し、教員の指導や子どもたちの発達に役立ててもらうこと、②定期的に幼稚園を巡回し、手遊び歌や読み聞かせを行い、教員や園児に新しい活動を提供すること、③教員向けのワークショップを開催し、教員同士の連携を促進し、よりよい幼児教育へつなげること、④作成した教材をオンライン化することで、国全体の幼児教育の発展に貢献すること、の４つを目的としています。
 1年間の活動を通じて、最初は懐疑的だった州の幼児教育課長に自分達の活動を認めてもらえたことが一番の成果でした。政府のサポートを得られたことで、教員の信頼も得て活動はスムーズに進み、毎月新しいアイディアを教員や園児に紹介することができました。手遊び歌やカリキュラムに沿った内容の歌を英語、日本語からカンボジア語へ編曲した他、この国の生活に沿ったオリジナルの紙芝居や絵本の試作品もできました。
破損や紛失を恐れて消極的な教員をどう主体的に行動させるかなど、課題や問題もありましたが、貸し出される教材も少しずつ増えています。教育課からも幼稚園の対象を拡大して欲しいとの要請もきており、今後も移動図書館・おもちゃ館の活動を続け、これまでのローカルNGOの立場から独立して活動する予定です。 |
