今回の「視察の旅」には、「娘の元気な顔を見ること」「活動や生活している場所がどんな所なのか知りたい」という思いから参加した。派遣先のボリビアについては正直、ほとんど知識がなかった(最近では、ウユニ塩湖やラパスが時々テレビで紹介されているが)。健康管理、安全対策などの資料を読み、これは単なる観光旅行ではないと思い知らされる。娘からも体調管理に注意するようにとの連絡が何度もあった。
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〜リベラルタの母子病院にて〜 |
娘の活動するリベラルタはボリビアの北に位置し、ブラジル(アマゾン)国境に近い。日本の反対側であり、とにかく遠い地であった。飛行機の遅延・変更も多いらしく、私たちが乗ったリベラルタ行きの便も予定外のコチャバンバを経由。出発まで時間があるとのことで娘が急遽、小高い丘の上にあるキリスト像まで案内してくれた。早朝でロープウェイが稼働しておらず、片道1600段の急な階段を歩いて登った。汗をかきながら登ったが、高台から見た街の景色は最高だった。私の重いリユックを娘が気遣い背負ってくれたことも忘れられない思い出となった。
予定時刻を大幅に遅れたが夕方、娘が活動するリベラルタの母子病院を訪問する。医師・看護師・職員の方々が娘や同僚の金村さん、私たち家族にも気軽に声をかけてくれた。職場の人たちが自宅へ招待してくれることも多いらしい。現地の人たちに溶け込んでいる様子が伺えて安心した。ボリビアには助産師という職域はなく看護師がそれを担っているとのこと。出産に対する知識や産前、産後の患者さんへのケアなど少しでも現地の状況に合わせて改善できればと考えているようだ。焦らないでボチボチやってみるという娘を応援したい。
市場や屋台で蠅がたかった肉やチーズを見ても「そんなの気にしていたら何も食べられないよ。ここよりもっと条件の悪い所はあるから」という娘。逞しくなったと思った。日本にいた時よりも積極的に人と関わり、気配りができるようになった。娘の生活の一端を知ることができて安心した。
滞在中、ウユニ塩湖2泊3日ツアーにも参加した。見渡す限り真っ白で広大な塩湖、ハシラサボテンが天を突き指すようなインカワシ島、荒涼として広がる砂漠地帯に残る強風や雨で風化した奇妙な形の巨岩の数々、5,000M近くの山頂で見た朝日、フラミンゴの集団、澄み切った夜空に満天の星、どれも忘れることのできない光景となった。今回は最初から最後まで2人の娘に支えられた旅だった。家族4人が時間を共有でき、家族の絆を深めることができた有意義な旅でもあった。
現地調査員の新谷さん、引率していただいた先輩隊員の川上さん、育てる会の冨岡さん、本当にお世話になりました。一緒に旅行に参加した皆さん、おかげ様で楽しい旅になりました。心から感謝いたします。ありがとうございました。 |