ケニアの沿岸モンバサでの協力隊活動は2012年5月に始まりました。それから6年が過ぎ、現在はヴィクトリア湖沿いのホマベイで活動をしています。初めて同国を訪れた時、こんなにも長くこの国と関わるとは思いもよりませんでした。
私の協力隊活動が他の隊員と違ったのは、サービス利用者である住民に直接働きかけることがほとんどなかったことです。配属先である国家エイズ対策委員会は、エイズ対策を担う地域団体やNGOの活動を推進する、いわゆるBtoBの行政サービスです。それ故に数多くの団体と接する機会に恵まれ、一地域のエイズ対策活動を包括的に知ることができました。
協力隊の任期終盤、地域のNGO活動に感化され、自分ももう少しケニアのエイズ課題に関わりたいと思うようになりました。帰国後、幸運にもそんな思いを形にできる仕事に就くことができました。それが私の現在の職場、エイズ孤児支援NGO・PLASです。エイズに影響を受ける子どもや女性を支援する活動をケニアとウガンダで展開しています。
ホマベイはHIV感染率が25%とケニア国内で最も高い地域で、孤児や貧困家庭も多く暮らしています。「最終学年に上がると進学を考えなくてはならないから、子どもを留年させました」「父親をエイズで亡くし将来の希望を持てず勉強に身が入りませんでした」。貧困下にある家庭では、将来の希望がないと感じることで、子どもの教育に積極的でない姿勢が見られます。
そこで、「帰国隊員 /青年支援プロジェクト」のご支援を受け、現地NGOと協力して子どものキャリア発達を促すカウンセリング活動を行っています。協力隊の経験を活かし、より効果が出るようカウンセリング・モジュールを開発し、片親家庭に支援活動を届けています。
希望を捨てずに学業に励むようになった子どもの変化について話す母親のこと、活動終了時にこの母子に更にどのような変化が訪れるか楽しみにしていること、現地スタッフが報告してくれました。引き続き現地の人々のために活動を続けていきます。
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